HGUC 1/144 MSN-06S シナンジュ レビュー:真紅のラスボス、その魅力と組み立ての楽しみ方
「赤い彗星の再来」――そう呼ばれるフル・フロンタルが駆るモビルスーツ、MSN-06S シナンジュ。その圧倒的な存在感と、流れるような美しいデザインに魅了されているガンダムUCファンは多いのではないでしょうか。今回は、そんな真紅の機体を手のひらサイズで楽しめる「BANDAI SPIRITS HGUC 1/144 MSN-06S シナンジュ」の魅力を、実際に私が組み立てた経験をもとに徹底レビューします。
このHGUCシナンジュは、ガンプラ初心者の方から、手軽にハイクオリティなキットを組みたいベテランの方まで、幅広い層におすすめできる傑作キットです。
HGUCシナンジュとは?キットの概要と特徴
BANDAI SPIRITSからリリースされているHGUC(ハイグレードユニバーサルセンチュリー)シリーズのシナンジュは、1/144スケールでありながら、劇中のプロポーションを忠実に再現し、豊富なギミックと可動域を両立させています。私が初めてパッケージを手にした時、その緻密な造形と深みのある赤い成形色に目を奪われました。
付属武装とギミック
項目 | 詳細 |
---|---|
ビームサーベル | 2本付属。エフェクトパーツで迫力UP。 |
ビームライフル | グレネード部分の着脱ギミックあり。 |
シールド | 裏にグレネードやビームアックスの収納が可能。 |
ビームアックス | 展開状態2つ、収納状態2つ。連結でビームナギナタに。 |
これらの武装が多数付属することで、様々な劇中シーンを再現でき、ポージングの幅が非常に広いです。特にビームアックスを連結させてビームナギナタを構えさせた時の、あの圧倒的な存在感はたまりません。
実際に作ってみた感想:組み立てやすさと驚きの完成度
私がこのHGUCシナンジュを組み立ててみて、まず感じたのは「組み立てやすさ」と「色分けの再現度」の高さです。HGUCシリーズとしてはパーツ数がやや多めですが、各パーツが大きく、ゲート処理もしやすい配置になっているため、サクサクと組むことができました。集中して作業すれば、私の場合、3時間程度で素組みが完成しました。
パーツの色分けとエングレービング
特徴的な赤と黒のカラーリングは、ほぼ成形色で再現されています。特に「赤」の色味が非常に美しく、素組みの状態でも十分な高級感を醸し出しています。しかし、シナンジュの大きな特徴である「袖付き」の意匠、つまり肩や袖、足首にある複雑なエングレービング(飾り彫り)は、残念ながら金色のシールでの再現がメインです。
私はシールを貼るのが少し苦手なのですが、このキットのシールは比較的貼りやすく、デザインも細かくカットされているため、丁寧に貼れば見栄えは非常に良いです。ただ、もし塗装に挑戦できる方であれば、ゴールドで塗装することで、キット全体の質感をさらに向上させることができるでしょう。私は今回シールで仕上げましたが、それでも十分すぎるほどの満足感を得られました。
可動域とポージング
プロポーション重視かと思いきや、可動域も非常に優秀です。特に肩の引き出し機構や、腰のロール、足首の広い可動範囲のおかげで、大胆なポージングも難なく決まります。ビームライフルを両手で構えたり、ビームナギナタを振り回すような躍動感あるポーズもバッチリです。関節の保持力も高く、重い武装を持たせてもヘタレにくいので、安心して飾っておけます。
他のキットとの比較:HGUCシナンジュの立ち位置
ガンプラにはHG、MG、RGなど様々なグレードがありますが、このHGUCシナンジュはどのような立ち位置なのでしょうか?私の主観を交えながら、いくつか比較してみましょう。
HGUC ユニコーンガンダム(デストロイモード)との比較
同じHGUCシリーズの『HGUC ユニコーンガンダム(デストロイモード)』と比べると、シナンジュの方が全体的にボリューム感があり、パーツの色分けもより細かく再現されている印象です。ユニコーンは変身ギミックがある分、パーツの合いや保持力に課題が出ることもありますが、シナンジュは純粋なプロポーションとギミックの安定性で優位に立っています。
MG 1/100 シナンジュとの比較
上位グレードである『MG 1/100 シナンジュ』は、さらに大きなサイズで、パーツ数もHGUCの倍以上、内部フレームまで再現された精密さが魅力です。MGの方がディテールや重厚感では勝りますが、その分組み立てには時間と労力がかかりますし、価格も高くなります。私がMGを組んだ時は、あまりのパーツ数に途中で心が折れそうになったこともあります(笑)。
それに対し、HGUCシナンジュは、MGには及ばないものの、約3分の1程度の価格で、手軽に組み立てられるにも関わらず、その完成度は非常に高いです。気軽にシナンジュの魅力を味わいたいなら、まずHGUCから始めるのが賢明な選択と言えるでしょう。
RG 1/144 シナンジュとの比較
同じ1/144スケールである『RG 1/144 シナンジュ』は、HGUCよりもさらに精密なディテールと、外装の多重構造、内部フレームによる圧倒的な可動ギミックが特徴です。しかし、パーツが非常に細かく、組み立て難易度が高い上、一部の関節の保持力に不安が残るという声も聞かれます。私はRGシナンジュを組んだ際、繊細なパーツに苦労しました。その点、HGUCは堅牢で、遊びやすいという点で勝ると言えます。ディスプレイを楽しむならRG、気軽に動かして遊びたいならHGUC、という選び方もできますね。
ちょっと気になる点
完璧なキット…と言いたいところですが、いくつか気になる点も正直に挙げさせていただきます。
- エングレービングのシール再現: 先にも述べましたが、ここはやはり塗装での再現が理想的です。素組みだと、シールの境目が気になる方もいるかもしれません。
- 一部関節の保持力(経年変化): 長期間飾っていると、重い武装を支える手首や、股関節が若干緩む可能性もゼロではありません。私の経験上、これはHGシリーズ全体に言えることですが、派手なポーズで飾る場合は時々チェックが必要かもしれません。
これらは些細な点であり、キット全体のクオリティを損なうものではありませんが、より完璧を求める方のために言及しておきます。
こんな人におすすめ
- ガンダムUCのファン:シナンジュの圧倒的な存在感を机の上に再現したい方。
- ガンプラ初心者:比較的組みやすく、素組みでも十分なクオリティが楽しめるため、最初のステップとしても最適です。
- 手軽にハイクオリティなキットを組みたい方:MGやRGほどの時間や技術はなくても、美しいプロポーションと豊富な武装を楽しみたい方。
- ディスプレイ重視派:飾っておくだけでも絵になる、デザイン性の高いモビルスーツを探している方。
まとめ:HGUCシナンジュは「伊達じゃない」
BANDAI SPIRITS HGUC 1/144 MSN-06S シナンジュは、その美しいプロポーション、豊富な武装とギミック、そして組み立てやすさを兼ね備えた、まさに「伊達じゃない」傑作キットです。価格以上の満足感が得られること間違いなしと、私が自信を持っておすすめします。
あなたのコレクションに、ぜひこの真紅のラスボスを迎えて、その圧倒的な存在感を体感してください!きっと、ガンプラ作りの新たな楽しみが見つかるはずです。